2008年10月03日

【千変上海】農業で海外進出する中国

 中国が最も恐れているのは石油高騰や金融危機などではない。いずれやってくる世界的食糧不足が中国を直撃することだ。
 そんな見方を裏付けするような中国当局の動きが注目を浴びている。ロンドン発のロイター電(9月10日)によると、アフリカ投資に強い英スタンダード・チャータード銀行のサンズ最高経営責任者は中国のアフリカ進出について「(中国の)興味が変わりつつある」と前置きし、資源獲得から農業分野にまで広がっていると指摘した。
 そういえば今年5月ごろ、中国当局が国内の農業法人に対し海外への積極的投資を促していると報じられたことがあった。
 投資先としてアフリカと南米が指摘され、トウモロコシや大豆などを量産する農地を借りて中国の農民が作付けする契約を結ぶというむので、農村の失業対策にもなるという一石二鳥のアイデアだった。だが、外国の農民に対し貧しいアフリカの民衆らの反発があるだろうという指摘もなされていた。
 食糧確保を海外投資でというアイデアは実は中国が最初ではない。 耕作地が少ないうえ水資源にも乏しい中近東諸国はすでに契約も結んでいる国がでており、サウジアラビアなどは肥えた大地を持つが貧しい国々で10万ヘクタールを超える巨大農場プロジェクトを次々と提案している。もちろん食糧確保が目的だ。
 サウジのアブドラ農務副大臣は「あらゆる国が食糧確保に奔走するだろう」と、潤沢なオイルマネーで将来の食糧不足に準備しようという思惑を英紙フィナンシャル・タイムズの記者に明確に話している。
 農業問題専門家で米アースポリシー研究所長のレスター・ブラウン氏は中国の食糧不足への警鐘を鳴らし続けたことで知られている。彼の論文「誰が中国人を養うか」はいまも大きな反響を呼んでいるが、その彼が指摘する中国農業の問題点の一つは家畜の飼いすぎだそうだ。
 改革開放の始まった1978年までは家畜の数は制限されてきたが、農家の世帯ごとに自由に飼えるようにした結果、羊とヤギは2億9000万頭になった。米国の800万頭に比べその多さは圧倒的だ。そしてこの家畜が草原を食い荒らし砂漠化が年々、拡大してきたというのである。  中国の農業人口は世界の40%を占めるのに耕作地はわずか9%。その耕作地が改革開放後の工業化と都市化で減少、加えて家畜の飼いすぎで砂漠化しているとすれば…。中国が新たな耕作地を求めて海外に進出するのは当然すぎる選択なのだろう。
 13億の国民を抱える中国では何事も量の確保が優先されてきた。食文化の西欧化で消費が増えた牛乳は2000年に826万トンだった消費量が4年後に2258万トンにも達している。そ
の後も急増の一途だ。腎機能に障害を起こす有害物質のメラミンが牛乳に混ぜられたのは、水増し牛乳にタンパク質成分を増量するためだった。中国の逼迫した食糧事情を考えれば当然の結果といえるかもしれない。
産経新聞 20.9.30 前田徹
posted by ディポ at 11:27| Comment(1) | TrackBack(0) | 外国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
■中国工業製品よりメラミン検出、英大手製菓企業自主回収―揺らぐ中国の「世界の工場」

こんにちは。今回のメラミン禍によって、中国の「世界の工場」としての立場は大きく揺らいだと思います。中国は一方では宇宙開発や、オリンピックの開催、先進国並の軍事費を計上するなどのことを行いながら、片方では発展途上国並のことするというアンバランスを解消しない限り、将来はないと思います。詳細は是非私のブログをご覧になってください。
Posted by yutakarlson at 2008年10月04日 11:20
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/107510009
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。